「自社の強みや事業内容が多岐にわたり、限られた会社案内のスペースに情報が収まりきらない」「掲載したい情報が多すぎて、文字ばかりの読みづらい会社案内になってしまう」とお悩みの広報・制作担当者様は多いのではないでしょうか。
多くの企業が採用している「A4サイズ縦型」の会社案内は、定型で扱いやすい反面、情報量が多いBtoB企業や製造業においては、レイアウトが過密になりがちという課題を抱えています。
本記事では、株式会社アドップが手がけた「日本マイクロニクス様」の会社案内事例をベースに、あえて「A4サイズ横型」を選択した理由や、広くなった紙面を活かした情報設計・デザインのコツを解説します。他社との圧倒的な差別化を図り、読者に「伝わる」会社案内を制作するためのノウハウをぜひ参考にしてください。
目次
01会社案内リニューアルの背景:A4縦型が抱えていた「情報設計」の課題
企業の顔となる会社案内ですが、企業の成長や事業の多角化、グローバル化に伴って「情報設計の限界」を迎えることがあります。
文字の過密化と視線誘導の難しさ
日本マイクロニクス様は、世界の半導体製造を支えるプローブカードのリーディングカンパニーです。高度な「コンタクト技術」を軸に、5つのコアテクノロジー、複雑な半導体検査プロセス、世界中に広がるグローバルネットワークなど、会社案内に盛り込むべき非常に深く、専門的な情報資産を豊富にお持ちでした。
これほど膨大な情報量を従来のA4縦型に収めようとすると、限られた横幅(210mm)の中に文章や図表を詰め込むことになるため、文字が小さくなり、余白が失われ、「どこから読めばいいのかわからない」という過密状態に陥りやすくなります。
なぜ「A4横型」へのリニューアルだったのか
そこでアドップがご提案したのが、サイズを縦から横へと大胆に変更する「A4サイズ横型(見開きでA3横長)」へのリニューアルでした。 単に見栄えを新しくするだけでなく、横型の持つ「ワイドな空間」を活用することで、情報整理の課題を根本から解決し、他社製パンフレットとの差別化を狙う戦略的な選択です。
02横型紙面がもたらす「ページの使い方」とデザインの工夫
紙面が横に広がることで、情報のレイアウトや読者の読みやすさにはどのような変化が生まれるのでしょうか。実際のデザイン意図と工夫のポイントをご紹介します。
人間の視線に逆らわない「自然な視線誘導」
人間が印刷物や画面を見る際、視線は基本的に「左から右」「上から下」へと動きます。
A4横型の見開き(A3横長スペース)は、この人間の自然な視線の動きに完璧にフィットします。
例えば、日本マイクロニクス様の事例では、「半導体検査と日本マイクロニクス製品」のページにおいて、左側にダイナミックなウェーハ検査の流れを配置し、右側に向けて具体的な製品群(プローブカード、半導体テスタなど)を展開していくことで、読者にストレスを与えないスムーズな視線誘導を実現しています。
大胆な「余白」が、企業の信頼性とスケール感を際立たせる
横型の大きなメリットは、情報と情報の間に広大な「余白」を生み出せる点です。
ぎっしりと文字が詰まったページは読者に圧迫感を与えますが、効果的に余白を設けることで、本当に伝えたい重要なメッセージや技術的な強みがパッと目に飛び込んでくるようになります。
日本マイクロニクス様の会社案内では、「数字で見る日本マイクロニクス」のページ(売上高や世界シェア等のグラフ)や「誇る技術(5つのコアテクノロジー)」の紹介において、この洗練された余白を効果的に活用しています。これにより、文字を読ませる前に、企業の先進性、スケール感、そして高い信頼感を直感的に伝えるデザインを可能にしています。
03他社の会社案内と圧倒的な「差別化」を図る3つのポイント
多くの企業がA4縦型の会社案内を使用しているからこそ、仕様や見せ方を変えるだけで、競合他社に対して大きなアドバンテージを得ることができます。
① 手に取った瞬間に印象づける「判型(サイズ・形状)」の差別化
展示会や営業活動の場で、他社のパンフレットと一緒に並べられたり、手渡されたりした際、A4横型の会社案内はそれだけで強い存在感を放ちます。「おや、他とは少し違うな」と手に取った瞬間に興味を持たせる仕掛けとして、形状の差別化は非常に有効です。
② プレゼンテーション資料のように「ストーリー」が伝わる構成
横型のレイアウトは、私たちが普段見慣れているパソコンの画面やプロジェクターのスライド(16:9)と同じ比率に近いため、ストーリー展開を論理的に組み立てやすいという特徴があります。
日本マイクロニクス様の資料でも、「トップメッセージ・企業理念」から始まり、「事業と製品の全体像」➔「数字で見る実績」➔「コアテクノロジーの深掘り」➔「サステナビリティ(地域貢献・人財)」という順序で綺麗に構成されています。ページをめくるごとに、まるで上質なプレゼンテーションを受けているかのように心地よく読み進めてもらうことができます。
③ 写真やインフォグラフィック(図解)をダイナミックに見せる
製造業の工場や精密機械の写真、あるいはグローバルな事業展開を示す世界地図などは、横長のワイド画面でこそ本来の迫力が伝わります。 「ものづくりの現場で働く従業員(約70%)」の真剣な表情を捉えた写真や、海外ネットワークの地図、複雑な「半導体/FPD製造プロセス」のフロー図など、横型だからこそイラストや写真を大きく扱い、言葉の壁を越えて直感的に自社の強みを理解させることが可能になります。
04【制作現場の知見】会社案内から学ぶ情報設計のステップ
今回のリニューアルを成功に導くために、アドップが実際に行ったプロセスをベースに、担当者が押さえるべき制作の5ステップをご紹介します。
- 情報の「棚卸し」と「優先順位付け」(言語化)
- 掲載したい情報を全て書き出し、「絶対に伝えたいコアな強み(例:コンタクト技術)」と「詳細な補足情報」に仕分けます。
- 横型を活かした「ストーリー(構成案)」の構築
- 見開きごとに完結するテーマ(例:環境への取り組み、コーポレート・ガバナンスなど)を決め、1冊を通した流れ(ストーリー設計)を組み立てます。
- 視線を迷わせない「レイアウト配置」
- 図解、写真、テキストの比率を計算し、読者の視線が滑らかに動く配置をデザインします。
- 「人」に選ばれるためのクリエイティブ調整
- AIには代替できない、手触り感、色使い、紙の質感(FSC認証紙や植物性油インキの採用などを含む)にまでこだわり、最終的に読み手の心を動かすデザインへ昇華させます。
05まとめ:AI時代だからこそ価値を高める「紙の会社案内」
現代はデジタルシフトやAIの普及が進み、あらゆる情報がネット上で検索・要約される時代です。しかしだからこそ、営業の現場で直接手渡し、五感(視覚・触覚)に訴えかけることができる「紙の会社案内」の価値は、これまで以上に高まっています。
優れた会社案内とは、単なる会社概要のまとめではなく、自社の思想や強みを伝えるための重要なブランディングツールです。情報過多でお悩みなら、紙面の使い方やサイズ(判型)から見直すことで、他社に埋もれない唯一無二のクリエイティブが生まれます。
株式会社アドップでは、本事例のようなパンフレット・会社案内制作はもちろん、Webサイトや動画、採用広報、さらにはAI時代を見据えた情報設計(言語化支援)までをワンストップでサポートしております。「自社の強みを正しく整理し、選ばれる会社になりたい」とお考えの広報・制作担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。